肩こりは2本足で立つ人間の宿命!?
首から肩にかけて鈍く痛んだり、重たく感じたり、筋肉がこわばる肩こりは、2本の足で立つ人間にとっては宿命といってもいいかもしれませんね。
というのも、頭の重さは体重の約13%あり、体重が70kgの人なら約9kg の重さを肩から肩甲骨にかけての筋肉で支えることになります。また、肩周辺の筋肉は胴体と腕をつなぎ、物を持ち上げたり、投げるなどのいろいろな動作の支点の役割を果たしています。このように肩周辺の筋肉は常に緊張状態を保ち続けているのです。
通常は、背骨の緩やかなS字カーブが頭の重さを分散して、肩の筋肉にかかる頭の重みを軽減しています。ところが、デスクワークや自動車の運転などで長時間同じ姿勢や無理な姿勢を続けていると、肩周辺の血行が悪化して疲労物質がたまり筋肉がこわばって肩こりとして現れてきます。また、長時間にわたるパソコン作業などによる眼精疲労、夏場の冷房の効きすぎ、運動不足、加齢による筋力の低下、ストレスや自律神経失調症なども、肩こりの原因となります。漢方やマカで解消しましょう。
他にも場合によってはプロテインでサポートして補うなども良いと思います。
こうした原因を解消しないでいると、悪循環(血行不良→疲労物質の蓄積→肩こりと痛み→筋肉が縮む→筋肉のこわばり→血行不良)を繰り返し慢性の肩こりに悩まされることにもなりかねません!
クエン酸が疲労物質の乳酸を抑制する
仕事中、同じ姿勢でいることが多い人は、いすに深く腰かけて背筋を伸ばしたよい姿勢を心がけるようにしましょう。また、仕事の合間に首や腕を回すなどのストレッチ体操をしたり、寝る前にゆっくりとお風呂に入り肩周辺の血液の流れを改善し、ストレスをためないようにして、その日の筋肉の緊張はその日のうちにほぐすようにしてください。
血行の悪化が肩こりの原因の1つですが、ビタミンEやナイアシンは血行を促進するのに欠かせません!
クエン酸は肩こりの原因となる疲労物質の乳酸ができるのを抑えます。また、ビタミンB1も乳酸の蓄積を防ぎます。さらに、いちょうの根や葉に含まれるギンコライドも乳酸の濃度を下げたり、毛細血管を拡張する働きがあるといわれており、ヨーロッパでは血行障害による肩こりや冷え性などの改善に用いられているそうです。身近な食品では梅干にはたくさんのクエン酸が含まれています。
肩こりの原因の1つである眼精疲労の解消には、“目のビタミン”といわれるビタミンAや、ブルーベリーに含まれるアントシアニンが有効です。また、ストレスを軽減するには、ビタミンCを補給するように心がけてください。
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便意の我慢を繰り返していると慢性化しやすい
会社に遅刻しそうになって朝のトイレタイムを逃してしまったり、便意があるのに会議で抜け出せず我慢してしまった経験がある人は意外に多いかもしれません。こうしたことを繰り返していると、やがて便意を感じにくくなり慢性の便秘に悩まされることにもなりかねません。
便秘は、その原因によって大きく2つのタイプに分けられます。1つは腸に炎症や腫瘍(しゅよう)、狭窄(さく)、癒着などの障害があって、便の通り道が狭くなって起きる「器質性便秘」です。
もう1つが便を肛門へと送り出す腸管の働き(蠕(ぜん)動運動)などが低下して起こる「機能性便秘」です。私たちを悩ませている便秘の多くがこの機能性便秘だといわれています。機能性便秘には3つのタイプがありますが、なかでも慢性化しやすいのが便意を促す直腸の反射機能が低下する「直腸性便秘」です。
慢性の便秘はおなかが張って不快な気分になるだけではありません。便秘が長く続くと硬くなった便が腸管の粘膜を傷つけたり、腸内細菌の悪玉菌によって腐敗が進み発がん性物質がつくられるといわれており、最近日本人に増えている大腸がんの原因にもなります。
こうした慢性便秘を解消するには、冒頭で挙げたような生活習慣を改めていくことが大切です。また、朝起きたら水や牛乳を飲むようにして、きちんと朝食をとり、そのあとで便意がなくとも必ずトイレに行く習慣を身につけるようにしましょう。さらに、適度な運動や十分な睡眠も便秘を慢性化させないための大切なポイントです。
食物繊維やビフィズス菌、オリゴ糖で慢性便秘を解消する
食事の欧米化で日本人の食物繊維の摂取量が減少したことも、慢性便秘が増加している一因です。食物繊維は腸内にある食物のカスなどを集めて便の量を増やすと同時に、水分を吸収して膨張し便の体積を増やします。膨れた便が腸管壁を刺激することで蠕動運動が促進され便意をもよおしやすくなります。
ギムネマ酸も食物繊維と同じような働きをして、便の量を増やします。さらに、人工の食物繊維であるポリデキストロースは、天然の水溶性植物繊維の特性を備えていて、腸内の善玉菌を増やしたり、便の量を増やして便通を改善します。アメリカで開発され、1981年に低エネルギーの食品としてFDA(米食品医薬品局)から認可が下り、日本でも83年に認可を受けているようです。
乳酸菌の1種であるビフィズス菌は、悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きを活性化させる乳酸や酢酸をつくり出して腸内環境を整え、便秘を防いでくれます。このビフィズス菌の栄養となるのがオリゴ糖やラクトフェリンです。
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ビタミンB群でエネルギー代謝を改善する
ひと言で“疲れやすい”といっても、その原因はさまざまです。病的なものを除けば、大きく分けて3つのことが考えられます。
1つ目は、うまくエネルギー代謝が行われていないケースです。食事からとった栄養素、特にご飯やパンなどの主食からとった炭水化物(糖質)が効率よくエネルギー源として使われないと、疲労感や脱力感が現れてしまいます。糖質を燃やしてエネルギーをつくる際にはビタミンB1が必要になります。ビタミンB1以外にもナイアシンやビオチンなどのビタミンB群が、糖質や脂質をエネルギーに変換するのに欠かせません。さらに、マグネシウムもビタミンB群と一緒になって糖質や脂質の代謝に大きくかかわっています。
2つ目は、疲労物質である乳酸が蓄積してしまうケースです。体内でエネルギーが燃焼すると、その燃えかすとして乳酸ができます。普通、乳酸は分解されてしまうのですが、仕事が忙しくて休みもとれないような状態が続くと、乳酸は蓄積する一方で、それが慢性的な疲労として出てきます。乳酸を速やかに分解して処理する働きがあるのがビタミンB1やナイアシン、ビタミンCです。
ビタミンCとマグネシウムの補給でストレスによる疲労を緩和
そして、もう1つ疲れの原因になるのがストレスです。疲労の原因は肉体的なものばかりでなく、ストレスによっても引き起こされることは、みなさんも経験的にご存じでしょう。過度のストレスがかかると、エネルギー代謝や乳酸の処理にかかわるビタミンB群や、抗ストレス作用のあるビタミンC、マグネシウムが、ストレスから体を守ろうとしてどんどん消費されてしまいます。その結果、うまくエネルギー代謝や乳酸の処理ができなくなって、疲れやすくなるのです。
疲れている、ストレスがたまっている、と感じたら、ビタミンB群やビタミンC、マグネシウムなどを、食品とサプリメントを上手に組み合わせて補給するといいでしょう。
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目を酷使する生活が眼精疲労やドライアイの原因
私たちは情報の80%を目から収集しています。そこにパソコンによる作業の増加が加わって、現代人は知らず知らずのうちに目を酷使しています。そのために、眼精疲労やドライアイなどの目のトラブルを訴える人が急増しています。
長時間、パソコンのモニターを見続けて作業をしたり、読書していると、対象物とのピントを合わせる毛様筋が疲労して眼精疲労を起こします。さらに、パソコンなどでの長時間の作業では、まばたきが極端に減り眼球を保護する涙の分泌が低下します。その結果、目の表面が乾燥して角膜に小さな傷をつくり、目がゴロゴロして疲れを感じるドライアイを引き起こします。目の疲れを放置していると、目がかすんだり痛くなるばかりでなく、やがては頭痛や肩こり、背中痛、腰痛などの症状を併発し、さらにひどくなると吐き気を伴うこともあります。
目をやさしくいたわるビタミンA、C、ブルーベリー
こうした目の疲れには、別名「目のビタミン」ともいわれているビタミンAが有効です。また、抗酸化作用があるビタミンCやブルーベリーに含まれる色素アントシアニンは、毛様体とともにピントを合わせる働きをしている水晶体の老化を防ぎます。さらに、目の神経細胞の働きを改善するビタミンB群も疲れ目には有効です。
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環境の変化が自律神経を乱す原因に
4月から今までとは違った環境で新生活をスタートさせる方も多いと思います。人間というのは、環境が変わることで新たな意欲や期待をもつものです。環境の変化も一種のストレスといえますが、そのことで意欲や気力が湧いてくる場合は、ストレスがプラスに働いているといえます。しかし、環境の変化によるストレスがいつもプラスに作用するとはかぎりません。職場の移動、転勤、さらには昇進といった自分を取り巻く環境の変化によって緊張を強いられたり、強い不安を感じてしまうと、それはマイナスのストレスとなって心身に変調をきたすことがあります。
たとえ強いストレスであっても、短期間で新しい環境にとけ込んでしまえば問題ないのですが、なかなか職場やポスト、そして何よりも新しい人間関係をうまく築けないでいるとストレスはたまる一方です。
こうした強いストレスを長い期間にわたって受け続けると、体のさまざまな機能を調節し一定のリズムをつくり出している自律神経に変調をきたすことになります。現れる症状は人によって違いますが、神経過敏、不眠、頭痛、動悸(き)、消化不良や下痢、便秘などの消化器障害、皮膚炎、倦怠感、気持ちの落ち込み、不安感など、実にさまざまな症状を引き起こします。
環境の変化によるストレスによってマイナスの影響を受けやすいタイプには、まじめで几帳面(きちょうめん)、責任感が強く、仕事熱心といった人が多いといわれています。こうしたタイプの人は、優秀で仕事ができるだけにまわりからの期待や信頼に応えようとして、ストレスを自分の中に抱え込んでしまいがちです。
ストレスをためないためには、生活習慣を見直すことと上手に気分転換することが大切です。不規則な食生活、運動不足、睡眠不足、アルコールの飲みすぎやタバコの吸いすぎなどの日常生活の乱れは、ストレスに対する抵抗力を奪うことになります。だから、ストレスがたまっているときこそ、規則正しい日常生活を心がけるようにしましょう。また、自分なりのストレス解消法(入浴、趣味、運動など)を持つように普段から心がけることも大切です。
特に女性はホルモンバランスをストレスで崩しがちなので、女性ホルモンのバランスを整えてくれるイソフラボンを摂取することをオススメします。
ビタミンCでストレスに立ち向かい、ビタミンB群で神経を安定させる
ストレスを受けると、私たちの体は臨戦態勢に入ります。副腎皮質から分泌されるアドレナリンとコルチゾールという2つのホルモンによって、呼吸が速くなる、心拍数が上がる、血圧が上がる、筋肉が緊張するなど、ストレスに立ち向かう状態を整えます。
副腎皮質でこの2つのホルモンがつくられるときに、大量のビタミンC、ビタミンB群のビタミンB6とパントテン酸が使われていることがわかっています。もし、体内にこれらのビタミンが不足していると、副腎皮質でこれらの2つのホルモンを生成できなくなり、ストレスに立ち向かう態勢ができずに神経過敏や不眠といった症状が現れることになります。パラアミノ安息香酸はパントテン酸の吸収を助けることで、間接的に2つのホルモンの生成にかかわっています。
ストレスに立ち向かうときに有効なのがフェニールアラニンです。フェニールアラニンは必須アミノ酸の1つで、ノルアドレナリンやドーパミンに変化され、精神を高揚し、血圧を上昇させる働きを持っています。
常にストレスに立ち向かう態勢で生活していたら、体も心ももちません。そこで必要になってくるのが、気持ちを安定させてイライラを鎮める作用のあるサプリメントです。「神経のビタミン」といわれているビタミンB12が、神経を正常に機能させて気持ちを安定させます。コバルトはビタミンB12の構成成分として欠かせないミネラルです。また、ストレスによるイライラ感を鎮める働きがあるのがカルシウムとマグネシウムです。カルシウムを腸管から効率よく吸収するためにはビタミンDが欠かせません。カルシウムとビタミンDは一緒にとるようにしましょう。さらに、マグネシウムには、ストレスと闘うための2つのホルモンをつくり出す副腎皮質の機能を補助する作用があります。
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不規則な生活や栄養の偏った食事が抗力を低下させる
カゼは、インフルエンザウイルスや連鎖球菌などのウイルスや細菌が体に侵入することで起きます。これらの病原体に対して、本来私たちの体には何重もの防御システムが備わっています。だから、健康な状態であれば、ウイルスや細菌の侵入を防いでカゼを予防したり、たとえカゼをひいても、ひきはじめは安静にして適切な処置をとることで、免疫機能が正常に働いてたいていのカゼはそれほど悪化ぜずに自然治癒させることができます。
カゼの病原体は鼻や口から侵入します。このときに第1の防御システムが働きます。病原体はのど(咽頭や喉頭)に感染しますが、のどの粘膜が病原体の侵入を防ぐ働きをしてくれます。
皮膚や粘膜のバリアを突破して体の中に侵入した病原体に対しては、貪食細胞と呼ばれる細胞が立ち向かいます。それでも排除しきれないときには、血液中の抗体や白血球が病原体を撃退します。こうした防御システムが体に備わった抵抗力であり、免疫機能なのです。
しかし、不規則な生活や睡眠不足が続いて疲労がたまっていたり、栄養バランスの偏った食事が多かったり、過度のストレス、たばこの吸いすぎなどによって抵抗力や免疫力が低下していると、せっかくの防御システムがうまく機能せずカゼをひいてしまったり、ときには悪化させて肺炎などを併発させてしまうこともあるのです。
ビタミンAやビタミンCで体に備わった防御システムを高める
カゼを予防するには、何よりも規則正しい生活や過度のストレスを避けるなどの心がけが大切です。とはいっても、忙しくストレスフルな日常生活を個人の努力だけで解消することは難しいですよね。しかし、抵抗力や免疫機能の低下のもう1つの大きな要因である不規則で栄養バランスの偏った食事については、心がけ次第で改善できるのではないでしょうか。
カゼをひきにくくするには、ビタミンAやβ-カロチン、ビタミンCなどを積極的にとることがポイントになります。ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、鼻やのど、気管支などの粘膜の抵抗力を高め、ウイルスや細菌などの病原体の侵入を防いでくれます。ただ、ビタミンAは脂溶性ですから、とりすぎると頭痛や吐き気、発疹、疲労感などの過剰症を招くおそれもありますので、摂取量には注意してください。
その点、β-カロチンの場合、必要なときに必要なだけ体内でビタミンAに変換されるので、疲労がたまって抵抗力が落ちているときや、空気が乾燥してカゼを引きやすい季節になったら、β-カロチンを十分に補給するようにしましょう。
ビタミンCは、体に侵入した病原体を撃退する働きがあるナチュラルキラー(NK)細胞(リンパ球の一種)を増やす作用もあります。
そのほかにも、ビタミンB1やB2は、たんぱく質や糖質、脂質のエネルギー代謝を促進させて、低下した免疫力を高めてくれます。また、レクチンやシスタチン、ラクトペルオキシターゼは、病原体の感染や増殖を防いでくれます。さらに、カテキンにはウイルスを殺菌する作用があることが確認されています。カゼの季節には病原体がのどの粘膜に感染するのを未然に防ぐために、外出から戻ったら日本茶や紅茶でうがいすることを習慣にすることをおすすめします。
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貧血の背後には食生活の乱れがある
「貧血がひどくて、朝起きたらめまいがして…」などと、貧血を遅刻の言い訳に使う人もいるのではないでしょうか。事実、貧血の症状にはめまいや眠気、倦(けん)怠感などがあります。これらは貧血特有の症状というわけではありませんから、自分が貧血であることに気づかないままで、健診などで貧血だったと知ることもあります。
貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビン(血色素)の量が基準値より低い状態をいいます。男性より女性に多いといわれますが、それには次のような理由があります。男性に比べて女性は、もともと細胞に酸素を運搬するヘモグロビンが少ないために貧血になりやすいのです。そのうえ、女性は月経による出血、妊娠や出産後の授乳で鉄が失われてしまいます。そのほかにも、子宮筋腫(しゅ)や子宮内膜症などの不正出血でも貧血を招く可能性があります。
貧血にはいくつかの種類がありますが、一番多いのが鉄欠乏性貧血です。鉄はほかのミネラルに比べてとても吸収率が低い(約8%前後)ことから、無理なダイエットや極端な偏食などをしているとどうしても欠乏しやすいでしょう。
鉄やビタミンB12、葉酸の欠乏が貧血を招く
なぜ鉄が不足すると貧血になるのでしょうか。エネルギーはブドウ糖と酸素が細胞の中で燃焼することでつくられます。酸素を全身の細胞に運ぶのが赤血球中のヘモグロビンですが、その構成成分が鉄です。食事からの鉄の補給が不足するとヘモグロビンの合成ができなくなって鉄欠乏性貧血を起こしやすくなるのです。
鉄欠乏性貧血に特徴的な症状には、まぶたの裏や口の中の粘膜、唇、爪が白っぽくなったり、顔色が青白くなるなどがありますが、症状には個人差があり必ずこうした症状が現れるとは限りません。貧血であることに気づかないままに放置していると、全身の倦(けん)怠感や寒くもないのに寒気がしたり、階段を上るときなどに動悸(き)や息切れをしやすくなるなどの症状が出てきます。さらに進んでしまうと、めまいや頭痛、耳鳴り、吐き気、胃のむかつき、食欲不振などの症状が現れたり、場合によっては胸痛や呼吸困難などに陥ることもあります。
鉄欠乏性貧血以外にも貧血にはいくつかの種類がありますが、食生活と深くかかわっているのが巨赤芽球性貧血(悪性貧血)です。この貧血は、赤血球が正常に成熟できないことで起こりますが、極端に栄養バランスが偏った食生活を続けている人や、老化などで胃粘膜が萎(い)縮してしまった人、胃の手術をした人が赤血球がつくられるときに働くビタミンB12や葉酸の不足に陥って起こります。一般的な貧血の症状に加えて、手足のしびれ、舌の炎症や痛みなどの症状が現れます。
このように貧血は食生活とかかわっていることが少なくありませんから、外食をすることが多く偏食ぎみの男性は、「自分は男だから貧血とは無縁」と油断しないようにしたいものです。
赤血球やヘモグロビンにかかわるビタミン・ミネラルを十分に補給する
鉄欠乏性貧血の人は食事から積極的に鉄を摂取するようにしましょう。外食が多かったり、好き嫌いの激しい人は、鉄剤で補給するようにするとよいでしょう。また、鉄がヘモグロビンの成分として利用されるときには銅が必要不可欠です。鉄は吸収率の極端に低いミネラルですが、ビタミンCやニッケルは腸からの鉄の吸収を助けてくれます。また、ビタミンCはヘモグロビンの合成にもかかわっています。カルシウムも鉄の代謝に関係しているといわれ、鉄欠乏性貧血の改善に働いています。クロロフィル(葉緑素)には、細胞に酸素を運ぶ働きがあるといわれています。
一方、巨赤芽球性貧血を予防するには、ビタミンB12と葉酸の補給が不可欠です。また、コバルトはビタミンB12の構成成分として造血に働きます。さらに、エリスロポエチンという牛乳などに含まれる糖たんぱく質には赤血球数を増加させる作用があることがわかっています。
ビタミンEには、赤血球の細胞膜を構成する不飽和脂肪酸を活性酸素による酸化から守る働きがあり、溶血性貧血を防ぐといわれています。溶血性貧血とは赤血球が破壊され、その分を補えないために起こる貧血ですが、頻度はあまり高くありません。
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外食が多い
炭水化物の分解に欠かせないビタミンB1
最近では、朝食はトーストにコーヒー、昼食や夕食は丼物や麺類、揚げ物の多い定食などの外食、夕食を家で食べてもインスタント食品、レトルト食が何品か入っていたり、コンビニの弁当ですませるといった食生活のパターンは決して珍しくなくなっています。しかし、こうした食事に含まれる栄養素のほとんどが炭水化物(糖質)と脂肪です。
炭水化物の分解にはビタミンB1の助けが必要なので、外食が多いとビタミンB1が大量に使われてしまいます。その一方で、白米や精製した小麦からつくったパンにはビタミンB1がほとんど含まれていませんから、外食の多い人は二重にビタミンB1が不足しています。ビタミンB1が不足すると、何となく体がだるい、疲れやすい、手足が重かったりむくむなどの症状が出ます。
外食で不足しがちな食物繊維をサプリメントで補給する
外食やコンビニの弁当では、どうしても野菜や海草類、キノコ類を十分にとることができません。その結果、ビタミンCをはじめとしたビタミン類や食物繊維が不足がちになります。外食のときには、丼物や麺類などの一品物や洋食を食べる回数を減らして、和定食を多くしたり、野菜の煮物やサラダなどを一緒に食べるようにしましょう。さらに、サプリメントでビタミンB1、C、食物繊維を補給するようにしてください。
脂っこい料理が好き
動物性脂肪のとりすぎは高脂血症を招く
高脂血症や動脈硬化の原因の1つは、食事内容の欧米化にあるといわれています。1日に1食は肉料理や中華料理のような脂っこい料理を食べなくては、何かもの足りない感じがするという人が多いのではないでしょうか。脂っこい料理が特別に好きでない人でも、昼食や夕食を外ですましてしまう機会が多くなると、知らず知らずのうちにたくさんの動物性脂肪をとっていたりします。動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれています。飽和脂肪酸は体内でコレステロールや中性脂肪の材料となり、とりすぎると、血液中のコレステロールや中性脂肪を増やすことになります。
また、時間がないからといって早食いしたり、食事と食事の間に間食をしたりすると、過剰に摂取したエネルギーは消費されることなく肝臓でコレステロールや中性脂肪に変換されます。血液中のコレステロール値や中性脂肪値が上昇することで、やがては高脂血症を引き起こすことになります。こうした食習慣に運動不足が加わると、しだいに肥満へと傾いていきます。太ってくると体を動かすのが億劫(おっくう)になって、いっそう肥満が進むという悪循環を招きます。
血液中のコレステロール値や中性脂肪値が上昇すると、血管に動脈硬化ができやすくなり、血管の中が狭くなって血液の流れが悪くなります。動脈硬化はこれといった自覚症状が出にくく“沈黙の病気”とも呼ばれていますが、気づかないままに放置していると狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの命にかかわる重大な生活習慣病を引き起こすことにもなりかねません。
不飽和脂肪酸や食物繊維でコレステロール値を下げる
高脂血症を防ぐには、食生活の見直しが最も大切です。肉料理が好きな人も体のために、できるだけ魚料理を食べる回数を増やしましょう。とくにイワシやサバ、アジなどの背が青い魚は、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富で、これらは血液をサラサラにして流れをよくする作用があります。
また、揚げ物や炒め物などの油を使った料理には、植物油を使いましょう。オリーブオイルは日本人の食生活にはあまり馴染みがありませんが、オリーブオイルを日常的に使っている地中海沿岸地方の人たちには心臓病が少ないといわれています。また最近は、体の中で燃えやすく、脂肪になりにくい食用油もあるので、上手に利用するとよいでしょう。
さらに、「野菜をたっぷり食べる」というのは健康な食事の基本ですが、コレステロールを増やさないためにもできるだけ毎日、野菜をきちんと食べたいものです。野菜に含まれる食物繊維は、血液中のコレステロールを低下させる働きがあります。きのこ、海藻、こんにゃくなども食物繊維が豊富で、しかもローカロリーなので、コレステロールや肥満が気になる人にはおすすめの食材です。
ビタミンB2やパントテン酸、γ-リノレン酸、コリン、クロム、バナジウム、キチン・キトサン、グリシニン、レシチンなども、それぞれにコレステロール値を下げる作用があることがわかっています。
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